建築耐震診断・調査内容説明 1/4

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4回のシリーズで行う「建築耐震診断・調査内容説明」

(長文のブログになります事をお許し下さい。)

耐震診断」は、建物の地震に対する安全性を調べることができます。

大切な生命を守る為には、まず建物がどれくらいの耐震性能を持っているのかを把握することが必要です。

今ある建物を長く安心してお使い頂くために

[耐震診断の目的]

耐震診断とは既存建物(特に1981年以前に設計され竣工した建物)が地震の脅威に対して安全に使えるかどうかを見極めるための行為です。

いいかえれば、古い構造基準で設計された十分な耐震性能を保有していない既存建物に対して、現行の耐震基準によりその耐震性を再評価する、これが「耐震診断」と呼ばれているものです。そのため、「耐震診断」と「耐震補強」は車の両輪となっています。

[現行の耐震基準]

日本の建築物の耐震基準は、過去の地震を教訓に何度も改正されています。関東大震災(1923)を契機に初めて耐震規定が設けられ、さらに新潟地震(1964)、十勝沖地震(1968)、宮城沖地震(1978)などにより部分的な改正がおこなわれてきましたが、それぞれの地震被害の現象に対処するためには耐震基準の根本的な見直しが必要となっていました。

その結果、1980年(昭和55年)に建築基準法施工令の構造規定が大改正されて翌年(1981)に施行され、この新しい基準(新耐震設計法)が現在適用されている現行の耐震基準(S造・RC造)です。

2000年に施工された改正建築基準法において、木造住宅の仕様強化・性能規定化が図られました。その結果2000年施工前の木造住宅のほとんどが既存不適格に転落したと思われます。

特に、柱頭・柱脚の接合部や基礎の仕様規定が新設されたことが、もっとも影響が大きいと考えられます。その後、2007年6月施行の改正建築基準法によって停滞する増改築手続きの円滑化を狙う。改正建築基準法では、構造基準が見直され、新耐震基準に適合する建築物でも、現行法令に適合しない既存不適格建築物となる場合が生じている。既存不適格建築物を増改築する際には、原則として既存部分を最新の建築基準法令の規定を満たすように改修しなければならないとされています。

[新基準の耐震性]新基準では、中規模地震(震度5程度)においては建物の水平変位量を仕上げ・設備に損害を与えない程度(階高の1/200以下)にコントロールし、構造体を軽微な損傷に留めること、また大規模地震(震度6程度)においては中規模地震の倍程度の変位は許容しますが、建物の倒壊を防ぎ圧死者を出さないことを目標としています。

建築年度別被害状況

建築年度別被害状況

この図によれば、昭和56年以降の建築物(新耐震設計法による建築物)の大破および倒壊の被害は1%で、昭和56年以前の建物の被害の程度と比較すると耐震性が格段に向上していることがわかります。

明日は、「耐震診断方法」についてお話させて頂きます。

※1.吉野聡建築設計室では、これまで数多くの山梨県や甲府市の公共建築の耐震診断・耐力度調査を行ってきています。

 詳しくは、吉野聡建築設計室HP worklist(業務リスト)をご確認下さい。

※2.コメント頂いた皆様

 申し訳ありません。

 頂いたコメント、全て確認させて頂いておりますが、それぞれの返答が難しい状態となっております。

 ご理解の程、宜しくお願い致します。

山梨県甲府市

デザイン・住宅・シックハウス・店舗・歯科医院・環境などの設計・監理

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