コンクリート内の鉄筋が錆びる原因

コンクリートの劣化現象の代表的の1つ、鉄筋の錆の膨張による爆裂があります。

鉄筋コンクリートの内部に配筋されている鉄筋が錆びる事で起きる現象です。

では、なぜコンクリート内の鉄筋が錆びるのか。

①コンクリートの中性化

コンクリート内の鉄筋は、普通の状態であれば錆びる事はありません。

鉄筋を空気中に放置すると、錆びてしまいます。

それは、空気中の二酸化炭素などによって 鉄が酸化してしまうために起こる現象です。

では、コンクリート中の鉄筋が錆びないのはなぜでしょうか?

それは、コンクリート内部に多量に存在する 水酸化カルシウムと関係しています。

セメントから供給される水酸化カルシウムは、 コンクリートをpH12以上という高いアルカリ状態に保ち、 鉄筋に不導体被膜という薄い酸化化合物の皮膜を 形成して保護するのです。

コンクリートの中性化が進むと、鉄筋は錆びやすくなる事が理解出来ます。

「コンクリートの中性化」については、下記のブログをご確認下さい。

2012年6月 1日

耐震診断 コンクリートコア中性化試験1/2

2012年6月 2日

耐震診断 コンクリートコア中性化試験2/2

②ひび割れ(クラック)による、雨水の侵入で起きる鉄筋の錆

③鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さの不足  

かぶり厚さとは

コンクリートの表面から鉄筋の表面までの距離。

建築基準法施行令の第79条でも規定されています。

・耐力壁以外の壁・床・・・・・・・20㎜以上

・耐力壁・・・・・・・・・・・・・・・・・・30㎜以上

・直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分・・・40㎜以上

・基礎(上部の部分を除く)・・・60㎜以上

鉄筋コンクリートは、コンクリートのアルカリ性によって鉄筋が錆びるのを防いでいます。

しかし、コンクリートが中性化したり、ひび割れ(クラック)などから雨水が入る事で錆が起こりやすくなる為、基準通りのかぶり厚さを確保しなければなりません。

そこで、昨日UPし柱の配筋(HOOP)をもう1度見ます。



柱の配筋(帯筋)

柱の配筋の必要かぶり厚は 40㎜以上

上記の写真の柱の配筋のかぶり厚は 5㎜程度

これが、鉄筋を錆びさせた原因の1つです。

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