鉄筋コンクリートの建築調査 コンクリートコア中性化試験

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鉄筋コンクリート造の建築の耐震診断・耐力度調査を行う前に、診断する建築の調査を行います。

数ある調査の1つに「コンクリート中性化試験」と言う調査(試験)があります。

その試験を行う時には、フェノールフタレイン溶液を用いります。

フェノールフタレイン溶液

フェノールフタレイン溶液(500ml ¥3,800-)

アルカリ検出の指示薬です。

無色透明の液だがアルカリ性の水溶液に入れると色が赤紫色(濃い桃色)に変化します。

pH8以上で色が変わり、pHが高くなるにつれ、色が濃くなります。

「コンクリートの中性化」とは

二酸化炭素によって生じる、鉄筋コンクリートの劣化のひとつです。

硬化したコンクリートは、セメントの水和作用により生成された水和物のひとつである水酸化カルシウムの化学的影響により強アルカリ性を示しています。しかし、水酸化カルシウムは空気中の二酸化炭素と反応して炭酸化され、コンクリートは表面から徐々に中性化していくこととなります。

コンクリートは強アルカリ性ですから、正常なコンクリート中の鋼材は、表面に不動態皮膜(鋼材表面に形成されている鉄の水酸化物(Fe(OH)2) )という安定した保護膜が形成されているので、長い年月を経ても腐食しません。しかし、鋼材周囲のコンクリートが中性化し、鋼材表面に水分の供給があり、酸素や二酸化炭素の作用を受けると、やがて鋼材は腐食を始めます。

中性化はコンクリート表面より進行し、鉄筋などの鋼材位置に達すると、不動体被膜を破壊します。これにより鋼材を腐食させ、腐食生成物の堆積膨張により、コンクリートのひび割れ・剥離を引き起こし、耐荷力など構造物の性能低下を生じさせます。また、ひび割れが発生したコンクリートはさらにCO2の侵入を促すため、中性化によるコンクリート構造物の劣化、雨水等の浸入による鉄筋の腐食を加速させることが知られています。

中性化してもコンクリート自体の強度が低下するわけではないので、無筋コンクリートの場合は問題になりません。

実際に建っている鉄筋コンクリート造の建築から採取した「コンクリートコア」を使って中性化試験です。

コンクリート中性化試験

試験結果を記載した看板と共に写真撮影。

これらのデータを基に耐震診断や各種検討・計算を行います。

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