鉄筋コンクリート造 内部の鉄筋が錆びる原因

コンクリートの劣化現象の代表的の1つ、鉄筋の錆の膨張による「爆裂」があります。
鉄筋コンクリートの内部に配筋されている鉄筋が錆びる事で起きる現象です。
では、なぜコンクリート内の鉄筋が錆びるのか。

①コンクリートの中性化
コンクリート内の鉄筋は、普通の状態であれば錆びる事はありません。
鉄筋を空気中に放置すると、錆びてしまいます。
それは、空気中の二酸化炭素などによって 鉄が酸化してしまうために起こる現象です。
では、コンクリート中の鉄筋が錆びないのはなぜでしょうか?
それは、コンクリート内部に多量に存在する 水酸化カルシウムと関係しています。
セメントから供給される水酸化カルシウムは、 コンクリートをpH12以上という高いアルカリ状態に保ち、 鉄筋に不導体被膜という薄い酸化化合物の皮膜を 形成して保護するのです。
コンクリートの中性化が進むと、鉄筋は錆びやすくなる事が理解出来ます。

②ひび割れ(クラック)による、雨水の侵入で起きる鉄筋の錆
③鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さの不足  
かぶり厚さとは
コンクリートの表面から鉄筋の表面までの距離。
建築基準法施行令の第79条でも規定されています。
・耐力壁以外の壁・床・・・・・・・20㎜以上
・耐力壁・・・・・・・・・・・・・・・・・・30㎜以上
・直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分・・・40㎜以上
・基礎(上部の部分を除く)・・・60㎜以上

鉄筋コンクリートは、コンクリートのアルカリ性によって鉄筋が錆びるのを防いでいます。
しかし、コンクリートが中性化したり、ひび割れ(クラック)などから雨水が入る事で錆が起こりやすくなる為、基準通りのかぶり厚さを確保しなければなりません。

そこで、昨日のブログでUPした「鉄筋コンクリート造の壁」のをもう1度見ます。

鉄筋コンクリート造の壁 爆裂
鉄筋コンクリート造の配筋
耐力壁の必要かぶり厚は 40㎜以上
上記の写真の柱の配筋のかぶり厚は 目視ですが10~20㎜程度
これが、鉄筋を錆びさせた原因の1つです。

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