敷地内でも建てる位置よって「関係法の制限やコスト」が変わります。

昨日のブログでUPさせて頂きました「関係各省庁での建築に関する関係法の事前協議」
建築は、建築主の思い・考え・条件・希望・コストなど、全てが異なります。
だからこそ、設計を行う建築のデザイン・プラン・工法・材料・機能等においてそれぞれの対応が求められ、更に建物の用途・規模・構造などが変わります。
そして、敷地の条件によっても大きく変わります。
また、これらの条件によって建築基準法・都市計画法・消防法・その他の規制、また各市町村の条例などが関係するので、建築関係法令集などで確認する以外に、各関係部局との事前協議を行います。

山梨県中北建設事務所 建設課
甲府市貢川2丁目にあります「山梨県県土整備部中北建設事務所」 建設課
ここでは、「建築基準法第2条六号」(用語の定義 延焼のおそれのある部分)と浄化槽についての事前相談です。
本日のブログでは、建築基準法第2条六号(延焼のおそれのある部分)の相談内容についてUPさせて頂きます。
敷地内でも建てる位置よって「関係法の制限やコスト」が変わります。

その一つが下記の内容です。
実際に事前協議を行った議事録になります。

A.「建築基準法第2条六号」(用語の定義 延焼のおそれのある部分)
延焼のおそれのある部分 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線(ロにおいて「隣地境界線等」という。)から、一階にあつては3m以下、2階以上にあつては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、次のイ又はロのいずれかに該当する部分を除く。
イ 防火上有効な公園、広場、川その他の空地又は水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分
ロ 建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分

建築基準法 延焼ライン
1.『延焼ライン(延焼のおそれのある部分)』とは
隣地境界線や道路中心線から、1階の場合は3m以下、2階以上の場合は5m以下の部分
敷地内に2つ以上の建物があり、2つの建築物の床面積の合計が500㎡を超える場合、外壁同士の中心線
外壁同士の中心線

2.延焼ラインが発生しない建築物とは?
以下すべてに該当しない建築物
・耐火建築物/準耐火建築物
・法27条の適用を受ける特殊建築物
・防火地域/準防火地域にある建築物
・法22条区域に建てられた木造建築物

事前協議を行った既存の工場は用途・規模・構造では、その他の建築となるが、1階の工場の利用条件から防火区画(1000㎡区画)がありません。
これは、この工場を「準耐火建築」にする事によって緩和を行っていると考えます。
詳細は下記で説明です。
3.任意で準耐火建築物にしている場合は、1500㎡を超えないかぎり面積区画はかからない。
建築基準法施行令第112条(防火区画)
主要構造部を耐火構造とした建築物、法第2条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当する建築物又は第136条の2第一号ロ若しくは第二号ロに掲げる基準に適合する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)が1500㎡を超えるものは、床面積の合計(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)1500㎡以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第109条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分でその用途上やむを得ない場合においては、この限りでない。

「結論」
今回計画する休憩室は、上記の条件から
1.既存工場は「準耐火建築物」
2.既存別棟事務所は「その他の建築」
3.計画休憩室は「その他の建築」
となります。
よって、計画を行う休憩室と既存工場の隣棟間の中心から3m以内は「延焼のおそれのあるライン」となり、延焼ラインにおける措置が必要な「準耐火建築物」の工場のみ、屋根・軒裏・外壁・開口部の防火措置が生じます。
計画建物の休憩室はそれぞれ「その他の建築」なので、計画建築の延焼のおそれに対応する措置は不要となります。
更に、既存別棟事務所と計画休憩所の建築は、それぞれ「その他の建築」なので、延焼のおそれに対応する措置も不要となります。

更にもう一つの案として、
既存工場から6m以上離して建つことが可能ならば、「建築基準法第2条六号」(用語の定義 延焼のおそれのある部分)は適用外となり、この対応におけるコスト増も「0円」になります。
このように、山梨県甲府市 吉野聡建築設計室では、必要なコスト削減に向けてあらゆる検討を行っています。

企業、事務所、工場、倉庫、店舗、飲食店、アパート、マンション、住宅、各種病院・歯科医院、公共建築などのデザイン・設計・監理。
耐震診断、耐震補強設計、耐力度調査、建築確認申請手続き、
特殊建築物定期報告書検査作成

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