誰の責任「違反建築の中古物件・中古建築・中古建物」

2026年8月26日にUPしたブログ。
事前に違反建築の調査「中古物件・中古建築・中古建物」の再利用 
コメントを頂きました、静岡県沼津市のK様の質問に。
「中古物件を最初に建てた際のオーナーさんと建築士さんの責任は問われないんでしょうか?」
なるほど!!確かにのご質問に調べさせていただきました。

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工場の調査時に確認した違反建築

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最初に建てたオーナー(建築主)や建築士の責任が問われる可能性はあります。
ただし、重要なのは、「現在の所有者が是正する責任」と「当時の建築主・建築士が負う責任」は別問題だという点です。

1.中古物件を購入した現在の所有者
中古物件を「違反建築物とは知らずに」購入した場合でも、原則として、現在の所有者には違反状態を是正する必要があります。
建築基準法9条では、特定行政庁が、建築主だけでなく、現在の所有者・管理者・占有者等に対しても是正命令を出せる仕組みになっています。
つまり、「自分は違反建築をしたわけではない」
という理由だけで、現在の所有者の是正責任がなくなるわけではありません。

2.では、最初のオーナーは?ここは別です。
例えば、
建築確認申請では100㎡
実際には150㎡建築した
建築主が無断で増築を指示した
用途変更を無許可で行った
などであれば、当時の建築主の行為が問題になる可能性があります。
また、違反を認識しながら建築した場合などは、行政上・民事上・場合によっては刑事上の責任が問題となることがあります。
ただし、「昔の所有者だから、現在も自動的に是正費用を負担する」ということではありません。

3.建築士の責任は?これも非常に重要です。
例えば、
建築士が設計段階から建築基準法違反を認識していた
あるいは、建築士として当然確認すべき法規を確認せず、違反建築物を設計・監理したという事情があれば、建築士に対して責任を追及できる可能性があります。
一方、「建築士が設計した建物なのだから、違反があれば必ず建築士が責任を負う」という単純な話ではありません。
実際の違反原因、建築士の関与、当時の契約内容、建築主からの指示、施工内容などを調べる必要があります。
建築士法では、建築士が建築基準法に適合しない建築物の建築等について、違反行為を指示・相談することを禁止する規定もあります。

4.特に重要なのが「いつ違反したのか」
中古物件では、ここを最初に調べるべきです。
例えば、
① 新築時から違反
 当時の建築主・設計者・施工者などの責任問題
② 新築時は適法だったが、その後増築
  増築した時の所有者等の責任問題
③ 新築時は適法だったが、用途変更
用途変更をした者等の責任問題
④ 現在の所有者が改造して違反
  現所有者の責任が中心
というように変わってきます。
なお、違反建築物かどうかは、原則としてその建築物を建築・増築等した時点の法令への適合性を確認する必要があります。
現在の基準に合っていないからといって、それだけで「当時から違反」だったとは限りません。

5.中古物件では「誰が悪いか」より先に調べるべきこと
実務的には、私は次の順番で調査することをお勧めします。
調査項目 確認すること
建築確認申請 当初の設計内容
確認済証 適法な計画だったか
検査済証 完了時に検査を受けているか
確認申請図面 現況と一致しているか
現況実測 増築・改造の有無
登記     建物面積との比較
建築年月日 違反が発生した時期
設計者     当時の建築士・設計事務所
施工者     誰が施工したか
改修履歴 誰が、いつ、何を変更したか

特に、「確認申請図面」と「現在の建物」を照合することが非常に重要です。
国土交通省も違反建築物について、特定行政庁による調査・是正を進めています。

6.例えば、こんなケースなら話が変わります
・1980年にAさんが建築
・B建築士が設計
・その後、Aさんが無断増築
・2026年にCさんが中古住宅として購入
Cさんは、違反を知らなかったというケースなら、Cさん現在の所有者として是正が必要になる可能性がある。
Aさんは、無断増築をした事実があれば、Aさんの行為について責任が問題になる可能性がある。
B建築士は、無断増築に関与していなければ、当然に責任を負うわけではない。
一方、新築時の設計そのものに違反があり、建築士の責任が認められる事情があれば別問題。
という整理になります。

7.中古物件を買う側からすると、かなり重要です
特に中古の工場・店舗・事務所・歯科医院などの事業用建物では、
「現在の所有者が違反を是正しなければならない」という点が非常に重要です。
そのため、中古物件の購入前に、「この建物は違反建築物ではないか?」
だけでなく、「いつ、誰が、どのような原因で違反状態になったのか?」まで調査することをお勧めします。

「中古物件を購入したら違反建築物だった。現在の所有者が数百万円~数千万円かけて是正するのは納得できない。
元の所有者・建築士・施工者に費用を請求できないのか?」という具体的なケースでしたら、これは民法上の契約不適合責任、時効、売主の説明義務、建築士・施工者への損害賠償請求にあるケースもあります。

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この写真の中に違反建築を確認

このように、
2026年8月26日にUPしたブログ。
事前に違反建築の調査「中古物件・中古建築・中古建物」の再利用 に記載したように、
中古建物の取引を行う前には、必ず「現行の建築基準法+関係法」の確認を行ってください。
知っていると知らないでは、大きな差が起こります。

企業、事務所、工場、倉庫、店舗、飲食店、アパート、マンション、住宅、各種病院・歯科医院、公共建築などのデザイン・設計・監理。
耐震診断、耐震補強設計、耐力度調査、建築確認申請手続き、
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