「たくさんの間違いがある」後付けの太陽光発電3/3

屋上を利用した太陽光発電の設置
上記の写真の太陽光発電は、山梨県甲斐市にあります。
建築の全体調査の時に確認です。
山梨県内にある太陽光発電の業者が設置した太陽光発電は、設置前に既存建物への影響も含めた構造検討を行っています。
その資料を確認した時にです。
えっ!!と驚く間違いが!!!

太陽光発電設置業者が提出している検討書(一部のみを抜粋)
屋上に太陽光発電パネルを設置した時の全荷重は12,139.43㎏で、これを屋上面積で除した時の単位面積当たりの荷重は27.77㎏です。これは降雪時の雪の厚さに換算すると9~15㎝とほぼ同じです。
建築基準法施行令、山梨県建築基準法施行細則で甲斐市の積雪荷重は積雪50センチ以上で設計するよう決められています。
構造設計時50㎝以上>9~15㎝程度ですので、十分に許容範囲内であり、設置上問題が無いと考えます。

ここに大きな間違いがあります。
①常時設置の太陽光パネルの重量の確認では、短期荷重の通常は消えてしまう積雪荷重の比較は賛成できません。
 太陽光発電は常時設置となる事から、計画時において同様の常時で見込んであるだろう仮定荷重での比較が一般的な検討と考えます。
②山梨県甲斐市では、50㎝の積雪があることを考慮して、建物の構造計算を行っています。
 そこに太陽光発電の重量を積雪荷重に換算した9~15㎝を除くと、41㎝~35㎝の積雪でこの建築は計算上は「NG」となります。

そしてもう1つ!!
太陽光発電の設置方法です。

縁石ブロックの重量で支える太陽光発電
手で移動できる縁石ブロック。
この太陽光発電は、縁石ブロックの重量で支えるられています。
下記の写真をご確認ください。

太陽光発電から延びているアングル
太陽光発電から延びているアングルがどこにも固定されていません。

既存建物の屋根面・屋上面に太陽光発電の設置工事する場合は、設置する建物への荷重が増大します。
その増大する荷重を建物が支える事が出来るのか?
事前の検討(プラン+構造+構造計算等の確認な)が必要です。
その他、山梨県「太陽光発電施設の適正導入ガイドラインについて」や多くの関係法が適用になる場合があります。
事前にご確認下さい。

企業、事務所、工場、倉庫、店舗、飲食店、アパート、マンション、住宅、各種病院・歯科医院、公共建築などのデザイン・設計・監理。
耐震診断、耐震補強設計、耐力度調査、建築確認申請手続き、
特殊建築物定期報告書検査作成

山梨県甲府市
吉野聡建築設計室
山梨県 甲府市 徳行3-3-25
TEL 055-222-6644
FAX 055-222-6100 
mail   yao@ruby.plala.or.jp
HP    http://sekkei-y.com
facebook http://www.facebook.com/sy.sekkei